恋と言うにはほど遠く。
色もなければ輪郭もない。
無色透明の「好き」だった。

惰性にくすぶる大学生と、意欲に燃える浪人生。
道に惑う彼と、道を定めにきた彼女。
かつて離れた二つの道は、東京で再び交差する。

福岡発、東京経由──行き先は、まだ、知らない。
四季を舞台に描かれる「上京」ノベル、ここに開幕。