主人公、「僕」は、どこにでもいる普通の高校生。
しかしある日、変わり者と評判の転校生「森川空」に告白される。
「付き合って下さい」と求められた「僕」は、軽い気持ちで首を縦に振ってしまう。
そして、この関係を学年の、学校の誰にも秘密にすることを、空に約束させる。
胸の奥でくすぶり続ける罪悪感を抱えながら、二人の秘密の関係が始まる。
毎朝の秘密の逢瀬、映画館へ初めてのデート。少しずつ、縮まる距離。
そして、都営線の果て、郊外の古ぼけた美術館で、止まっていた二人の時間は動き出す。
どこにでもあるような、ないような、正直で、偶にひねくれた、小さな恋愛物語。