超水道月報(2025.4月号)

いつも超水道のPIXIV FANBOXをご覧いただきありがとうございます。

超水道の蜂八憲です。

さてさて、まずは改めてのお知らせを。

『ghostpia シーズンワン』パッケージ版発売中!

 

 

さる2025年3月13日、めでたく『ghostpia シーズンワン』パッケージ版が発売となりました! これもひとえに、日頃から応援いただいている皆様のおかげです。発売後、お祝いのメッセージやご購入報告などもたくさん頂きまして、超水道一同たいへん嬉しく思っております。改めまして、厚く御礼申し上げます……!

 

「ghostpiaのパッケージ版!? 今知ったぜ!!」という方は宜しければぜひ。超水道一同、跳ねて喜びます。「買ったぜ!!」という方は、宜しければ周りの方にオススメいただけますと、これまた超水道一同、二段ジャンプで喜びます!

 

そんなこんなで、先月は告知ラッシュだった超水道。

改めて先月のあれこれを書き出してみると……

・「Tokyo Indie Games Summit」(TIGS)出展

・デンシノベル『Keep Only One Loneliness』発表

・パッケージ版『ghostpia』発売 & ghostpia交通広告掲示

・ヨカゼミュージアム開催 & ヨカゼスプリングセール

なんとも盛りだくさん。怒涛の一ヶ月でございました……!

「詳細を知りたいぜ!」という方はこちらの記事(超水道月報3月号)を御覧くださいませ。

 

そして、あっという間に4月。

世の中的には年度も変わり、フレッシュな季節。超水道としましても、諸々の告知が一段落し、今後はより本格的に制作フェーズへ移行することとなります。皆様のもとへ良い作品をお届けできるよう一層精進して参りますので、引き続き応援いただけましたら幸いです。

『クラーラといっしょ!おでかけアクリルカード』再販開始!

 

 

ご好評にお応えして、欠品していた『クラーラといっしょ!おでかけアクリルカード』を再販開始しました!

また、『ghostpia アクリルフィギュア -ヨル-』をリニューアル。

加えて、新たに『ghostpia アクリルフィギュア -小夜子-』を商品ラインナップに追加し、並べてお楽しみいただけるようになりました!🧑‍🤝‍🧑

 

いずれも超水道BOOTHよりご購入いただけます。

お求めは以下のURLよりどうぞ。

 

・クラーラといっしょ!おでかけアクリルカード

https://chosuido.booth.pm/items/6184715

 

・ghostpia アクリルフィギュア -ヨル-

https://chosuido.booth.pm/items/6787700

 

・ghostpia アクリルフィギュア -小夜子-

https://chosuido.booth.pm/items/6787688

ぶらり川越GAME DIGG in 『ghostpia』!

 

 

先月のTIGSは東京・吉祥寺での開催でしたが、今回の ぶらり川越GAME DIGG はところ変わりまして埼玉・川越

 

川越といえば、江戸時代より城下町として栄え、歴史的な浪漫と情緒にあふれた観光スポット。(ランドマークたる「時の鐘」が印象的ですね。)江戸の風情 x 令和のインディーゲームのコラボレーションが素敵です。街ぐるみのイベントは、ご当地色も相まってまた独自の楽しさがありますね……!

 

このイベントにて、ghostpiaもroom6(ヨカゼ)さんのブースにて展示いただきました。ここで初めて本作に触れていただけた方もいらっしゃったようで、そうした出会いは貴重なものだなと毎度のことながらしみじみ……。

 

ちなみに当イベントには アニマロイドガール のパンドリ丼さんも出展されておりまして、そこで販売された「おでかけクリアカード」、こちらのデザインを超水道が担当いたしました。(『クラーラといっしょ!』の知見が活きている……!)

お越しいただいた皆々様、ありがとうございました!

 

 

『Keep Only One Loneliness』制作進行中!

 

 

先月、制作発表させていただきましたデンシノベル『Keep Only One Loneliness』につきまして。

 

今夏リリースを目標に現在バリバリ制作を進めておりますが、今回の月報では、普段の制作風景から一部をピックアップしてご覧に入れたいと思います。今回は、テキストにまつわるお話です。

「物語の校正」フォーマットのお話

『Keep Only One Loneliness』のお話自体はすでに書き終わっておりまして、今月はその原稿をブラッシュアップしておりました。いわゆる校正のターンですね。

 

モザイクでお見苦しくて申し訳ありません……!

『ghostpia』でもそうですが、超水道における作品テキストのチェックはしばしば紙ベースで行われます。プリントアウトした紙面のほうが、PCの画面よりも不思議と粗を見落としにくく、より細やかなところに気付きやすい……そんな感覚が、メンバー共通の経験則としてあるんですよね。

 

この校正用組版はミタさんが作成してくれました。業務でDTPを手掛け、デンシノベルのエディトリアルデザインも担当してくださっているミタさんですが、こうした場面でも力をお借りしています。(いつもありがとうございます!)

 

ちなみに、この校正用組版は、デンシノベル(1ページあたり約200文字)ではなく文庫本(1ページあたり約600文字)のフォーマットを採用してもらっています。

 

と、ここで疑問を抱く方もおられるかもしれません。「最初から『デンシノベル』フォーマットでチェックしたほうが校正としては効率的なのでは?」と。

 

確かに、誤字脱字のチェックに力点を置くのならば、それが最適なんです。ただ、最初の「校正」においては、誤字脱字の確認もさることながら「ストーリー全体の流れに気なるところがないか」、ここのチェックがより重要であると個人的に考えております。

 

ページあたりの文字数が多いほうが、情報処理のしやすさ、つまり「物語の見通しの良さ」に分があります。先述の通り、デンシノベルフォーマットよりも文庫本フォーマットのほうがページあたりの文字数は3倍ほど多いので、そのぶんストーリーの大きな流れを掴みやすいのです。

 

「デンシノベル」フォーマットは、スマートフォン上での読みやすさを意識した結果として「1ページあたり約200文字」であり、そうした意味ではユーザーフレンドリーな部分と言えるのですが、こと「物語の校正」という点においては文庫本フォーマットが適しているのです。よって、このブラッシュアップフェーズにおいては文庫本フォーマットを採用しているというわけです。

 

もちろん、ページあたりの文字数というものは多すぎても逆効果なのですが──その点、一般的な文庫本フォーマットは「コンパクトに紙で読む」ことについて考え抜かれた器なのだな、と感じ入ることしきりです。こうした「文庫本って良い器だなあ」という感覚は昔から漠然と抱いていたところなのですが、デンシノベルの制作をするようになって自分の内の解像度が上がったように感じますね。

 

かくして、この組版レイアウトもとに全員で校正。誤字脱字のチェックをはじめとして、「ここはルビを振ったほうがいいのでは?」「ここは文章を補ったほうが繋がりがより自然になるのでは?」といった指摘を取り込んでいきます。

「最初の演出」のお話

ブラッシュアップが終わったら、今度はいよいよスクリプト作業。物語の本文テキストを「デンシノベル」上に入れ込んでいきます。ビジュアルノベルで大事な「演出」についても、ここで本格的に着手することになりますね。

 

さて、ビジュアルノベルにおける演出とはなんでしょう。

イラスト(挿絵)をどこでどのように表示させるのか。

音楽や効果音をどこにどれだけの長さで流すのか。

どれも正解。いずれも重要、かつ不可欠な要素です。

 

そうした諸々の要素のなかで、蜂八が「デンシノベル」の演出として最初に取り掛かるのが……「改(かい)ページ」になります。

改ページ。ざっくりと申し上げると「どのタイミングでページ(画面)を切り替えるか」ひいては「各ページにどれくらい量のテキストを表示させるのか」というところになります。

 

先ほどデンシノベルについて「1ページあたり約200文字」とお伝えしましたが、より詳細に記すと「1行あたり24文字 x 8行」ですね。先ほどブラッシュアップした本文テキストを、このページ単位で分けていきます。

 

※画像は前作『short HOPE long Peace』のものです

「一つのページ」をどのように切るか。たいへん地味なところなのですが、それでいて読み味にダイレクトに関わる部分でもあります。8行フルに表示させるのと、1行のみ表示させるのとでは印象はかなり変わってきます。

 

もちろん、実際の文庫本よろしく全ページに文章をぎっしり詰め込んだっていいのです。デンシノベルのフォーマットは「文章をぎっしり詰め込んでも美しいレイアウトになるように」という点を意識して作られているため、そうしたポリシーにも充分に応えられます。ここは作り手の好みや、収める物語のスタイルに左右されるところかなと思います。

 

蜂八の場合は、緩急をつけるスタイルが好みであること、またお話の内容や文章のリズム的にもそれが効果的に働きやすい性質のものであるため、各ページで収める分量に差をつけることが多いですね。

 

(まだまだ先のお話になりますが、「書き手のための汎用デンシノベル」がリリースされたあかつきには、こうした「改ページ」にまつわる作者のスタイルの違いも特色として表れてくるのだろうなと)

 

「最初の演出」と申し上げましたが、実のところ「最後まで」微調整を続けるところでもあります。前作『short HOPE long Peace』も、リリースする直前までデバッグがてら調整していましたが、今回もおそらく同様のフローになる見込みです。(遠い目)

 

引き続き、頑張ってまいります!

 

ということで、今回もご覧いただきありがとうございました。

次回の記事もどうぞお楽しみに。蜂八憲でした。